2005.6.3 / 千空間

藤島俊会

神奈川新聞

空間に対する貪欲さ

■千単位-関直美(4月22日~5月24日、GALLERY千空間=代々木)四角錐の形はいわば彫刻家としての言語である。これまでも大きな四角錐を制作してきたが、今回は4.5センチ角、高さ10センチのコンクリート製の小さな四角錐が単位である。弁柄を混ぜた形は白色からピンク、茶色と、お菓子のような感触がする。

数千個の単位が床や壁に張り付いて増殖しながら外に溢れ出すかと思えば、一個で微妙な空間に存在を主張する。ここにはこれだ、という作者の貪欲な欲望が実現されている。川崎市在住。