「なまこ」のようなものをつくる

関 直美 / Art Kawasaki 2014 図録 / 2014

通りの真ん中に置くこと、なおかつゴミ回収車通行時に商店の人が脇へ動かすことができること、通りを遮断しない子供のアイラインの意識、触っても平気なもの、雨天耐用。要するに「なまこ」のようなものをつくるしかない、無謀な企てである。ホワイトキューブからほど遠い、この条件を面白がって大いに乗るか、自身のコンセプトを曲げないで条件から逃れるか、2者択一である。しかし、全員が逃れたらこのアートプロジェクトは成立しない。結果、条件を満たすべく熟慮した「なまこ」は四角くなり、Dedication(奉納、あるいは献身)した。見る人も、今主流のホワイトキューブの概念をリセットして、面白がってくれたらいいのだが。