「八日目のワープ」/ 2015.3

志賀信夫

美術家関直美が、神奈川・藤沢近く、湘南台のギャラリーで奇妙な個展を開催していた。白く芽吹いたような髭のようなものが多数生えているオブジェ。小片は木片からであり、大きいものは鉄のピアノのようにも見える。これらが規則性を持って壁面と床に並べられ、それは延長して庭にまで進んでおり、庭には二つの小さい割れたテーブルに生えている。そして周囲にはキノコか小さい塔のように地面から生えた無数のオブジェ。どちらも自然界のものではないとわかりながらも、一種の自然ともいえる風景を作り出している。

このギャラリーは湘南台から車で10分ほどの田園地帯にあり、高い生垣で囲った欧州のような庭を持つ。この白いオブジェは結束バンドであり、“キノコ”もコンクリートらしいのだが、木製の小さな墓標にも見え、どこにもない風景を生み出している。オープニングでは深谷正子らがパフォーマンスを行ったが、筆者は見ることができなかった。関心のある方はYou Tube を検索されたい。