何か聞こえる – Sounds something new

関 直美 / 作家コメント / 2019

今は一人で暮らしているが、かつては家族があった。
暮らした家は古い木造、自営業を営むその家屋には待合室があった。
暑い夏の昼休み、唯一冷房が効く待合室は憩いの場所、家族に限らず友達やら誰かがいつも椅子にごろんとまどろんでいた。
遠い記憶は椅子に染みついた。
誰の家にもそんな記憶がありはしないか。
長椅子を二つに切り離す。すると何かささやきが聞こえる。


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