1995.6.7 /「第3回国際木彫シンポジウム」

西郷公子

神奈川新聞

この人

デンマークの小さな村 楽しみですね?

 イギリスの艦隊にかつて艦隊を焼かれたデンマークの大様が、将来の造船のためにと、18世紀からホイヤー自治区の結婚予定の青年、にカシとブナの木を四本ずつ植えさせた。現在住民わずか1400人。その村で大きくなった木を生かそうと10日から18日まで第三回国際木材彫刻シンポジウムが開催される。応募35カ国153人から選ばれた19カ国22人の彫刻家が公開制作。そこへ招かれる一人に選ばれた。

 「かわいい童話のような話にひかれて応募したのですが、参加できてとってもうれしい。交通の便などを書いた丁寧な案内も暖かみを感じますし、地元の人や各国の作家との交流など楽しみです」と笑顔で語る。

 シンポジウムでは直径50センチ、長さ1.5メートルの丸太が作家ひとりひとりに割り当てられる。応募の時に作ったプランニングでは、これを二つに切り、アルミ製の四角い枠をくっつける。汽車の車輪をイメージした造形。重い道具類もあるので飛行機の重量制限をオーバー。アルミ枠は夫と子供が後から運ぶことになった。

 注目されつつある気鋭の現代作家。「木の暖かみ、節の面白さが好き。重量感もあるが、ピシッと切れば緊張感も、リズム感も出せる」